頭痛・頚部痛専門外来

頭痛・頚部痛専門外来とは

あづま脳神経外科リハビリクリニックの頭痛・頚部痛専門外来では

  1. 日常的に感じる頭痛があれば、原因を精査し治療することが可能です。片頭痛などの一次性頭痛では、原因精査と治療が可能です。
  2. 普段感じている頭痛とは違った頭痛が生じた場合も、原因を精査し治療することが可能です。
  3. 手術や特別な検査が必要な病気が見つかった場合には、速やかに連携病院もしくは希望される病院に紹介します。
  4. 一部の脳血管障害(血管解離、可逆性脳血管攣縮症候群など)では、当院で治療出来る軽症例と専門的な入院治療が必要な重症例があり、病状によって異なる対応となります。

頭痛の落とし穴

 痛みは私たちの身体に何か異常が起きていることを知る手がかりです。頭痛は頭部の異常を知らせるサインです。だから私たちは頭痛に対して不安を感じるのです。例えば、これまでに経験したことのなかった頭痛や、突然激しい頭痛が起きた場合、それは頭部に何か重大な問題が起きていることを伝えている可能性があります。そのような場合はすぐに脳神経外科専門医に受診しましょう。
 しかし、現代社会において頭痛はよくある症状で、人によっては日常化した慢性疾患です。その結果、オオカミ少年の嘘のように人は頭痛を捉えてしまい、頭痛が起きてもそれほど心配せず、痛み止めを飲んだり寝てやり過ごしたりしている人も多い現状です。しかし、このように放置していた頭痛が徐々に悪化することもあります。頭痛は徐々に強くなるばかりでなく、頭痛の原因によっては、手足の麻痺や歩行困難、行動変化などのより深刻な症状を引き起こすことがあります。
 そのため、頭痛は軽視してはいけない病気です。痛みは身体が危険を伝えるサインなのです。

一次性頭痛と二次性頭痛

 頭痛は大きく2つのカテゴリーに分けることができます。それは一次性頭痛と二次性頭痛です。
 一次性頭痛は「物理的に脳に異常が見られない頭痛」で、代表的なものに片頭痛や群発頭痛があります。一次性頭痛の場合、脳の機能的な異常が頭痛の原因となります。 一方、二次性頭痛は「脳に生じた病気や状態が引き起こす頭痛」で、このタイプの頭痛の例としては、くも膜下出血や脳腫瘍が挙げられます。
 二次性頭痛の場合、頭痛以外にも様々な症状が見られることがあります。二次性頭痛では原因疾患に対する治療が必要となることも多く、場合によっては生命を脅かす可能性もあるため迅速な対応が求められます。
 一般的な頭痛の中から、緊急的な治療や特別な手術が必要な二次性頭痛を見つけるために、私たち脳神経系専門医は視診や触診を含む問診を行い、さらにはCTやMRIのような画像診断を用いて診断しています。CT検査は放射線を用いるため、身体への負担が大きいですが、MRIは電磁波を用いて撮影するため、負担の少ない検査となります。さらに、MRI検査では脳の微細な構造を詳しく見ることができ、造影剤を使用せずに血管の状態も確認することが可能なため、CTに比べて情報量が多い検査と言えます。
 では、どのような症状が現れたときに脳神経外科を受診すべきでしょうか?
 以下に示すSNNOOP10リストは、特に注意が必要な頭痛の症状です。これらの症状のいずれかがある場合は、脳神経外科を受診してMRI検査を受けることをおすすめします。

SNNOOP10リスト

Do TP, Remmers A, Schytz HW, et al.:Red and orange flags for secondary headaches in clinical practice:SNNOOP10 list. Neurology 2019 92(3):134-144 を、我妻(あづま)が編集して作成

  説明 疾患
A. 突然感じた頭痛(雷鳴性頭痛) 突然急に(1分~5分以内)に最強の痛みを感じた頭痛 くも膜下出血、脳出血、脳静脈洞塞栓症、RCVS、下垂体卒中、脳血管炎、低髄圧症候群 
B. いつもと違う頭痛 今までに経験したことのない頭痛を感じた場合、21%に脳の病気が見られます。 脳静脈洞塞栓症、脳腫瘍、脳血管性障害、その他
C. 進行性に悪化する頭痛 徐々に酷くなっていく頭痛 脳静脈洞塞栓症
D. 発熱などの全身症状を伴う頭痛 発熱を伴う頭痛に加えて、意識障害や麻痺など神経症状が出現する頭痛 髄膜炎、脳炎/脳膿瘍、カルチノイド、褐色細胞腫
E. 手足の麻痺が生じた頭痛 脳梗塞よりも脳出血の方が頭痛を感じることが多いです。ただし頭痛の重症度は病変の大きさとは関係ありません。 脳出血、前兆のある片頭痛、脳梗塞、脳炎、脳腫瘍
F. 50歳を過ぎてから感じるようになった頭痛 50歳以上の慢性頭痛は、50歳以下の10倍(15% vs 1.6%)、脳疾患を認めます。 巨細胞性動脈炎(50歳以上)、脳卒中、脳腫瘍、非血管性障害
G. くしゃみや咳、運動時や排便時に感じる頭痛 後頭蓋窩病変の可能性があります。他に笑った時や重たい物を持った時などで感じます。 アーノルド・キアリ奇形、後頭蓋窩病変(小脳腫瘍など)、髄膜炎、閉塞性水頭症、外傷性出血、椎骨動脈解離などの脳血管障害
H. 涙や鼻水などの自律神経症状を伴う眼痛 目の充血を伴う事もあります。 群発頭痛などTACs、Tolosa-Hunt 症候群、下垂体卒中、海綿静脈洞病変、後頭蓋窩病変、緑内障など眼科領域疾患
I. 乳頭浮腫のある頭痛 乳頭浮腫を認めた場合、眼科疾患の可能性は低く殆どが原発性脳腫瘍です。 脳腫瘍
J. 姿勢により変化する頭痛

脳腫瘍頭蓋内圧亢進していると臥床で増悪し早朝頭痛を自覚します。 髄液漏では、臥位で改善し立位や座位で悪化しますので起き上がれなくなります。 

低髄圧症候群(腰椎穿刺後頭痛など)、脳腫瘍
K. 外傷後に続発した頭痛 女性や救急搬送者は頭痛が遺残しやすく、若年者で頭痛を生じた場合や画像検査異常があれば、急性外傷後頭痛を生じやすくなります。 急性/慢性外傷後頭痛、急性/慢性硬膜下血腫、内頚/椎骨動脈解離
L. 妊娠・産褥期の頭痛 妊婦の5%に初めて感じる頭痛が発生し、25週〜分娩期や産褥期に多く重症例が多い。 妊娠高血圧症候群、下垂体腺腫、脳内出血、くも膜下出血、RCVS、脳静脈洞塞栓症、子癇前症、硬膜穿刺後頭痛(無痛分娩時)
M. 癌経験者 癌経験者に初めて感じる頭痛があると、半数に転移性脳腫瘍を認めます。 肺がん、もしくは乳がん患者の脳転移(転移性脳腫瘍)
N. 薬物乱用性頭痛 鎮痛剤使用過多による頭痛 薬物乱用性頭痛(MOH)
O. HIVなどの免疫不全がある人の頭痛 頭痛はHIV感染者の34~61%に自覚されます。 脳性トキソプラズマ症、脳原発性悪性リンパ腫、進行性多巣性白質脳症、無菌性髄膜炎

当院の診断・治療方針

  1. 当院では、脳疾患や脊髄/神経疾患の診断に問診や神経学的所見に加えてMRIを使用して原因を追求しています。MRIは放射線や造影剤を使用しないため、安全性が高く、脳実質や血管、脊髄病変が詳細に描出されます。CTで異常が見つからなかった場合でも、原因が判明することがあります。
  2. 原因や症状に合わせて、内服治療を用いて改善を目指します。状況によっては物理療法やリハビリが必要となることもあります。手術が必要な状態であれば、迅速に連携病院または患者様の希望される病院に紹介いたします。
  3. 脳腫瘍や動脈瘤などが見つかった場合でも、時期尚早で手術を行わないケースもあります。そのような場合は、当院で経過観察を行い、患者様の状態を適切に管理していきます。
  4. 当院では、患者様一人ひとりの症状や状態に応じた最適な治療を提供し病状の改善に向けてサポートしています。脳卒中による麻痺症状や高次脳機能障害、認知症やふらつき、片頭痛や腰痛など脳/脊椎脊髄疾患は残念ながら根治が難しく、症状や後遺症が続くこともしばしばです。そのため、当院では治療に対するアプローチを治す事だけに集中するのではなく、患者様を癒せる施設でありたいと考えております。
  5. 投薬による予防/再発予防治療や生活指導、心身のケアやリハビリテーション、家族や社会復帰のサポートなど患者様の生活全般をサポートするための取り組みを行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
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