高血圧・糖尿病・脂質異常症外来

高血圧・糖尿病・脂質異常症外来とは

あづま脳神経外科リハビリクリニックの高血圧・糖尿病・脂質異常症外来では

  1. 高血圧・糖尿病・脂質異常症(高コレステロール血症)の治療を行っています。
  2. 高血圧や糖尿病、脂質異常症を指摘された方や治療を受けている方は、脳卒中を発症する可能性が高く、特に高血圧症は脳卒中と認知症のバイオマーカーです。
  3. 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血を発症しないために、一次予防として高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療は大切です。また再発予防(二次予防)目的にも上記3疾患の治療は必要です。
  4. 脳梗塞や脳出血の痕跡やくも膜下出血を発症する可能性のある動脈瘤を脳MRI検査で発見することが可能です。高血圧・糖尿病・脂質異常症に罹患期間が長い方はMRI検査を受けておくことをお勧めします。
  5. 通常の検査や治療でコントロールできない高血圧・糖尿病・脂質異常症であれば、連携病院や希望される病院に紹介させて頂き治療を継続頂きます。

脳の病気と高血圧/糖尿病/脂質異常症の関係

高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療が脳神経外科や脳神経内科で行われている理由について、疑問を持つ方もいるかもしれません。そこで、以下の2つの質問について考えてみてください。
 質問1:「あなたが高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療を受けている理由は何ですか?」
 質問2:「血圧が高くなっている時に、何らかの症状を感じていますか?」
これらの質問に対する答えを、あなたは明確に答えられますか?
高血圧や糖尿病、脂質異常症が指摘されているにもかかわらず治療を受けていない方、その状況を見守っている方、治療を断念した方、または薬を服用しているが正常値に至っていない方にとって、これらの質問への理解は非常に重要です。

脳卒中の10大危険因子

O’Donnell MJ.et.al Global and regional effects of potentially modifiable risk factors associated with acute stroke in 32 countries (INTERSTROKE) : a case-control study. Lancet 2016 ; 388 : 761-75.より我妻が改編

  脳卒中の10大危険因子 OR=オッズ比 PAR=寄与危険割合
1 高血圧 2.98 47.9%
2 運動不足 0.60 35.8%
3 アポB/アポA-1比 1.84 26.8%
4 不健康な食生活 0.60 23.2%
5 ウエスト・ヒップ比 1.44 18.6%
6 ストレス 2.20 17.4%
7 喫煙 1.67 12.4%
8 心原性疾患 3.17 9.1%
9 アルコール 2.09 5.8%
10 糖尿病 1.16 3.9%

問題1の答え:高血圧は脳卒中や認知症のバイオマーカーで発症に関与しているから。脂質異常症や糖尿病も脳卒中のリスク因子であるから。
⇒私たちは脳卒中で不自由な身体になりたくないから、心筋梗塞やくも膜下出血で死にたくないから高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療を受けているのです。

問題2の答え:自覚症状はありません。
⇒高血圧状態でも自覚症状が現れないことは一般的です。極度の高血圧状態では、脳浮腫を生じて自覚症状が出ることもありますが、それは例外的です。起床時や怒りを感じている時、運動している時や排便時などに血圧が上昇することがありますが、これは自律神経の正常な反応です。一方、低血圧状態で立ちくらみを感じることはよくある現象です。

 高血圧は、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞、くも膜下出血や脳出血、心臓疾患、慢性腎臓病などのリスクを増加させます。特に、ラクナ梗塞と脳出血の主な原因は高血圧です。くも膜下出血の予防には、血圧管理に加えて禁煙や節酒も重要となります。アテローム血栓性脳梗塞の予防には、高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症といった動脈硬化の促進因子を治療することが必要で、これは心筋梗塞や下肢閉塞性動脈硬化症の予防にもつながります。身体的な障害を避けたい、生命を守りたいのであれば、脳卒中や心臓疾患の治療を受けながら予防に努めましょう。

「薬は一生飲まなければならないのでしょうか?」  ⇒ 「大多数の人が一生飲む必要があります。」

 適切な運動と食事による生活習慣の改善を行うことで、薬の量を減らす、あるいは完全に止めることも可能です。ただし、その判断と行動は必ず医師との相談を通じて行われるべきです。そして改善された生活習慣を継続的に保つことが重要です。
 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患の治療は、継続的な努力を行いながら、薬でその不足部分を補うという考え方が求められます。持続困難な運動やダイエット、塩分制限などの生活習慣改善は継続が難しく、これらが中断されると慢性疾患が再発し脳卒中の発症リスクが増加するため、返って逆効果になる可能性があります。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症の発症には遺伝的要素も関与しており、健全な生活習慣を保っていても発症する可能性があるため、自覚症状がなくても検査結果に基づいた治療を受けるべきです。
 私たちは、脳卒中や心筋梗塞により身体的な不自由さを経験したくない、あるいは死にたくないからこそ、高血圧や糖尿病、脂質異常症の治療を受けていることを忘れてはなりません。薬を止めるべき時とは、生涯を全うし、老衰に近づいたと判断された時点です。

脳は治らない臓器です。

 私たちの脳は一度損傷を受けると完全に回復するのは困難な臓器で、過去に起きた脳梗塞や脳出血の痕跡は基本的に永続的に残ります。脳卒中専門医は、これらの痕跡や脳の変性状態、頭頚部血管の動脈硬化や脳動脈瘤を元に、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの既往歴を推察できます。
 さらに、脳の病気は後遺症が残ることが多く、完全に元の状態に戻す事は困難です。リハビリを通じて日常生活に支障が出ないように改善することは可能ですが、それでも全てを元通りにはできません。無症候性脳梗塞や脳出血は、将来的な血管性認知症の原因となります。
 そのため、これらの疾患の予防が非常に重要です。健康的な食生活と適切な運動を心がけ、高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病の発症を避けることが大切です。もし既にこれらの疾患がある場合は、病状の悪化を防ぐために適切な対策を講じましょう。

高血圧や糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)がリスク因子となる病気

  • 高血圧症:ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、心臓疾患、慢性腎臓病など
  • 糖尿病 :アテローム血栓性脳梗塞、心筋梗塞、慢性腎臓病、透析、白内障など
  • 脂質異常症:アテローム血栓性脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など

認知症における修正可能なリスクファクター12因子

幼年期~成人期(45歳未満)

  • 教育不足;7%

壮年期(45歳~65歳未満)

  • 難聴;8%
  • 頭部外傷;3%
  • 高血圧;2%
  • 過度の飲酒;1%
  • 肥満;1%

老年期(65歳以上)

  • 喫煙;5%
  • うつ病;4%
  • 社会的孤立;4%
  • 運動不足;2%
  • 大気汚染;2%
  • 糖尿病;1%

Livingston G, Huntley J, et al. Dementia prevention, intervention, and care :2020 report of the Lancet Commission. Lancet. 2020; 396:413-46.

当院の診断・治療方針

  1. 当院では、脳疾患や脊髄/神経疾患の診断に問診や神経学的所見に加えてMRIを使用して原因を追求しています。MRIは放射線や造影剤を使用しないため、安全性が高く、脳実質や血管、脊髄病変が詳細に描出されます。CTで異常が見つからなかった場合でも、原因が判明することがあります。
  2. 原因や症状に合わせて、内服治療を用いて改善を目指します。状況によっては物理療法やリハビリが必要となることもあります。手術が必要な状態であれば、迅速に連携病院または患者様の希望される病院に紹介いたします。
  3. 脳腫瘍や動脈瘤などが見つかった場合でも、時期尚早で手術を行わないケースもあります。そのような場合は、当院で経過観察を行い、患者様の状態を適切に管理していきます。
  4. 当院では、患者様一人ひとりの症状や状態に応じた最適な治療を提供し病状の改善に向けてサポートしています。脳卒中による麻痺症状や高次脳機能障害、認知症やふらつき、片頭痛や腰痛など脳/脊椎脊髄疾患は残念ながら根治が難しく、症状や後遺症が続くこともしばしばです。そのため、当院では治療に対するアプローチを治す事だけに集中するのではなく、患者様を癒せる施設でありたいと考えております。
  5. 投薬による予防/再発予防治療や生活指導、心身のケアやリハビリテーション、家族や社会復帰のサポートなど患者様の生活全般をサポートするための取り組みを行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
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